(4/15-6)春秧街

　ほんた。

　トラムはのんびりと東へ。速度は車より遅いので、急いでいる場合にはMTRを使った方がいいだろう。しかし街並みを眺めるには適している。何せ均一料金2HKD（約30円）という安さ。

　途中、湾仔や銅鑼湾では歩道はものすごい人波。渋谷駅前の道を路面電車が走っている感じだ。

　今回、北角を通るトラムではなく、北角行きのトラムに乗ったことが重要なポイント。目的地は北角にある春秧街。ここはトラム沿いギリギリまで商店が張り出して来ているところで、ガイドブックなどによく写真が載っている。北角行きのトラムが折り返しに使う所なので、北角行きでないと通らないのだ。終点に着く頃にはもうガラガラだった。

　本線から左に逸れ、単線区間に入る。いよいよだ。というところで停車。二階にいた人がみんな降りてしまう。終点なのか？トラムに乗りながら春秧街を通れると思っていたのだが、残念。階段を下りる。

　ところが、一階ではまだ座っている人が結構いた。まだ終点じゃないらしい。慌ててまた二階に上り、最前部へ行く。程なく動き出す。

　トラム本線が走る英皇道から一本北側の春秧街、露店が張り出す長さ200Mほどの直線をゆっくり進む。乗っていたトラムは新しい車両で前面はガラスだったので、横から乗り出して写真を撮ってみる。昔はもっと張り出していたらしいが、今以上というのはどの程度なのだろう、あまり想像できない。端まで行って曲がった所が本当の終点。下車。

　春秧街は賑わっていた。生鮮食品のほか、服やら鞄やらとにかく安い。アラビア語で書かれた怪しげなウルトラマンがプリントされたTシャツなど、おそらく偽物っぽいものも多く目に付く。胸にバッジを着けた中年の観光客グループや、中学生か高校生くらいに見える女の子のグループ。色々な年齢層の人が買い物を楽しんでいた。私は何も買わなかったが、活気があって楽しいところだった。

（つづく）