よく晴れた三泊四日の最終日、この日は帰国するだけ。三度目のホテルのバイキングの朝食を食べて、顔なじみになってしまった店員さんにやっぱり日本語で「ありがとうございました!」と挨拶される。
チェックアウトして迎えのバスを待つ。よくしゃべるおばさんが迎えに来てくれた。こういう仕事は話すのが好きじゃないとつとまらないのだろうね。このホテルから乗るもう一組が遅刻、しばし車内で待機。
空港へ行く前に、免税店へ立ち寄ることになっている。途中関羽を祀る行天宮の前を通り過ぎ、免税店に到着。茶器を見てみるが、思いのほか高くて諦める。お土産用のお菓子を購入。ちょっと高い気もするが、これで手持ちの台湾元を使い切った。
空港へ。当然時間が余ってしまい、搭乗口付近のお店で時間をつぶす。ここではパイナップルケーキを購入。
飛行機は定刻通りに出発。機内では「300」を見る。ペルシア戦争のテルモピレーの戦いを描いた映画で、100万人のペルシア軍をスパルタ軍が300人で迎え撃つわけです。ああ、世界史でやったよ懐かしい。スパルタ、というかギリシャは、このテルモピレーでは大敗するわけだけど、テミストクレスのサラミス海戦とプラタイアの戦いでペルシアを追い払うわけですよ。それにしても、ペルシア軍って本当にこんなに奇怪な出で立ちだったのでしょうか?
頭から見てちょうど戦闘シーンになったところで機内食がやってきましたよ。ここで鑑賞は中断。さすがに首チョンパ見ながら食事するほど悪趣味じゃありません。
そんな機内食はパンがぺったんこでした。うまかったけど。お供はやっぱりサンミゲル。日本のビールは帰国してからいくらでも飲める。
食事を終えて鑑賞再開。いつの間にか既に危機的状況になってるし。映画が終わったらもうまもなく到着だった。台湾は近い。特に帰りはあっという間だ。
・・・こんな唐突な終わり方を迎えるわけは、当然あんまり覚えていることが無いからです(笑)
ほんた。そういえば、昨年夏に台湾に行ったときの記録が途中でほったらかし。もう忘れていることばかりだろうと思いつつ、いまさらながら再開します。前回までの記録は、右側のカテゴリー「旅行」をクリックしてくださいな。
台湾三泊四日の三日目。故宮博物院を出た後、次の目的地は忠烈祠。辛亥革命や国共内戦などで亡くなった兵士を祀っている。一時間ごとにある衛兵の交代式を見たかったのだ。
故宮からバスがあるが、本数が少なく次の便まで三十分ほど待つことになる。これでは交代式に間に合わない。となると、タクシーだ。英語、通じないだろうなあ・・・まあ観光地だし、文字を見せれば平気だろう。バス停近くに止まっていたタクシーの運転手に「忠烈祠」と適当な紙に書いて見せつつ英語で「ここに連れてってくれる?」と聞くと、中国語で何やらわからない言葉を発しつつジェスチャーで「乗れ」と。時間は10分くらいだったろうか、100元ちょい(約400円)で着いた。タクシーも日本よりだいぶ安い。
タクシーを降りるとすぐに大きな門が目に入った。東大寺の南大門とか、あういう感じの大きな門。その下に二人の衛兵が立っていて、周りで10人程度の観光客が写真を撮ったりしている。その先に広場があり、だいぶ先に本殿のような建物が見える。運が悪いことにちょうど雨が降ってきたことと、交代式まであと10分を切っていたので、あそこまで行ってしまうと戻ってこられないと判断、門のところで待機。あとでわかるが、実は本殿の方にも衛兵はいて交代イベントはちゃんとやるわけだが。
二人の衛兵、すごいことに身動き一つしない。視線を動かすこともしない。まばたきすらしないのだ、本当に。まばたきしないなんて訓練すればできるようになるものなのだろうか。交代は一時間毎だから、その間ずっと・・・私にはできるわけがない。超人技とも思えるが、それに見合った報酬は得られているのだろうか。
交代式の時間が迫るにつれて徐々に観光客が増えてくる。それとともに風と雨が強まり、土砂降りになってしまった。
少し雨が弱くなったところで交代式が始まった。詰め所から四人の衛兵とお供の人が出てくる。衛兵のうち二人はお供の人が差す傘に入りながら本殿へ向かう。門のところでは早速儀式が始まった。
一糸乱れず、キビキビと銃剣を回転させたり投げ渡したり。靴が地面を踏む音が響いて心地よい。5分か10分程度だったと思うが、あっという間に終わってしまった。
離れた本殿側でも同じような儀式をやっているのが見える。向こうには観光客はいない様子。
戻ってきた衛兵を正面からズームで撮影。あ、怒られた(汗)。本殿まで二本のスジが伸びている。これ、毎回毎回衛兵さんが同じ道を歩き続けてできた跡らしい。人が歩くだけでこんな跡ができるものなのか。
一旦ほぼ止んだ雨が再び強くなってしまったため、本殿へは行かずじまい。
(つづく)
三日目。前日に九フンで購入した絵葉書をホテルロビーの緑色のポストから投函。なかなかかわいい顔をしている。
この日はまず故宮博物院へ向かう。MRTで士林へ。20元(約70円)。これだけMRTを使うと、悠遊カードを使っていて正解だったと思う。いちいち切符を購入しなくてよいし、何より毎回二割引きになるのは大きい。士林からはバスに乗車したが、バスも15元のところ悠遊カード利用の乗継割引で7元(約25円)。安っ。
故宮博物院に到着。世界四大美術館の一つだ。ちなみにあとの三つはルーブル美術館(フランス・パリ)、メトロポリタン美術館(アメリカ・ニューヨーク)、エルミタージュ美術館(ロシア・サンクトペテルブルグ)だそうだ。
今年の二月に改装を終えてばかりでとてもきれいな建物。地下一階から入り、チケットを購入。160元(約600円)。カメラの持ち込みが禁止され、荷物を全て預けなければならないというような情報をネットで見ていたが、何の問題もなく持ち込むことができた。館内の何箇所かに撮影禁止の案内があった。特定の展示物だけなのかどうかいまいちはっきりしなかったが、カメラを使っている人はほとんどいなかったので自重。中には撮影禁止とはっきり書いてある展示物を撮影している不届き者もいたが。
展示フロアは三フロアあり、とても広い。一応一通り見たが二時間以上かかった。これでも65万点以上の収蔵品のうち、展示してあるのは一万点に満たないというからその規模のすごさがわかる。日中戦争や国共内戦があったにもかかわらず、歴史的に価値のあるものが保存されていることには本当に驚かされる。館内はなかなか混雑していてイモ洗い状態だった。日本人を含め、外国人も多いようだ。
(つづく)
MRTで中正紀念堂から台北車站へ戻る。もう一つ先の中山駅まで続く地下街をぶらぶら散歩して一旦ホテルに戻り、再度出発。つい最近まで世界一の高さだった台北101へ向かう。再びMRTで市政府駅へ。市政府駅からは無料のシャトルバスが出ている。
バスは台北101の真下に着いた。高さ508メートル、つい最近まで世界で一番高いビルだった。ちょうど台湾行きを決めた直後、ドバイ(UAE)で建設中のブルジュドバイに抜かされたというニュースを目にした。ブルジュドバイの完成時の高さはまだ明らかにされていないそうだ。ドバイではこの建設中のビルとは別に高さ1,000メートルを超えるビルが計画されているそうだ。1,000メートル!本当か?
この建物の5階くらいまではショッピングモールになっている。ウィンドウショッピングをしながらエスカレーターで上がっていく。ちなみにこの建物内に台湾の証券取引所がある。見学できればしたかったが、HPを見ても見学できるようなことは書いてなかったのであっさり諦めた。
五階に展望台までのエレベータ乗り場とチケット売り場がある。一人350元(約1,200円)。結構いいお値段、さすが元世界一。少し並んでいて、エレベータを一本待つ。
エレベータ内では右の写真のように高度と速度が表示される。ここのエレベータは世界最速、最大分速1,010mとのこと。時速60km以上だ。ちょうど最速時の写真を撮ろうとしたが、動き出すとエレベータ内が暗くなってしまってカメラの設定が合わず、うまく撮れずじまい。Gは感じるが気圧の変化はそんなに感じなかった。気圧制御システムが導入されているとのこと。
展望台に上がるとエレベータの模型があった。このエレベータは東芝製。
展望台はまずまずの混み具合。不快になるほどではない。東京や香港と違って高い建物があまりないのがよくわかる。
右の写真はダンパー。風による揺れを防ぐもの。実際に見るのは初めてだ。とても大きくて若干広角気味のレンズなのにファインダーに収まりきらない。重量800トンだって、上まで材料運んで組み立てるのだろうか。
中心部を望む。夕暮れと夜景を見ようと思っていたが、急速に視界が悪くなってきた。夕立のようだ。真っ暗になる前ではあったが、もう降りることにする。
シャトルバス乗り場に着いた時には既に弱い雨が降り始めていた。雷が光っていて、まもなく土砂降りになりそうだ。
案の定、バスを降りるときには土砂降りの雨だった。
(つづく)
次の目的地は中正紀念堂。鼎泰豊から歩いて15分程度。空も明るくなり、もう雨の心配もなさそうだ。
台北の歩行者用信号機の写真。下に青か赤で信号が表示され、上に信号が変わるまでの時間が出ている。下に表示されている人は、日本のように静止しているわけではなく渡れる時は歩き、残り時間が無くなってくると早足、というか駆け足になる。写真ではわからないが、なかなかかわいい。
中正紀念堂は中華民国初代総統の蒋介石を偲んで建設されたもの。「中正」とは蒋介石の本名だ。最近、「国立台湾民主紀念館」へ改称されたらしい。蒋介石は独裁者として非道な為政を行ってきたとのことで、蒋介石を称えるものを見直す動きの一環らしい。
毎正時に衛兵の交代式があるとのことで、運がよければ見られるかもしれないと思っていた。ちょうど三時ギリギリに裏口に到着。しかし、どこでやっているかわからない。たぶんメインの建物の前か中かなのだろうが、建物に比較的近い裏口からでも結構な距離があり、あっさり諦める。
建物の前には新しい「国立台湾民主紀念館」の看板。一階では展示が行われていた。蒋介石は様々な人権侵害を行ってきました、というテーマ。第二次世界大戦で敗戦したイタリアで、戦時中はムッソリーニを支持していた国民が彼の遺体に投石したのと同じようなものだろうか。冷房が効いていたので休憩がてらのんびりと見る。
建物の正面に回る。改装中で、ロープが張られていて長い階段の上には上がることができなかった。上に一体何があるのだろう。
広い広い広場を抜けて中正紀念堂駅へ。この駅名も改称することになるのだろうか。
帰国後調べたところ、なんと今年の5月に民主紀念館に改称したばかりなのに翌6月には中正紀念堂に戻っていた。つまり、訪れたときには中正紀念堂だったわけだ。政治の場で意見が割れて混乱しているらしい。新調した看板は無駄になってしまうのだろうか。上れなかった89段の階段を上がると、高さ6メートル超の蒋介石像があったらしい。6メートル超か。ちょっと見てみたかったな。衛兵もこの像のところにいたらしいが、像が撤去されてからは交代式もなくなってしまったとのことだ。
(つづく)
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