三日目。前日に九フンで購入した絵葉書をホテルロビーの緑色のポストから投函。なかなかかわいい顔をしている。
この日はまず故宮博物院へ向かう。MRTで士林へ。20元(約70円)。これだけMRTを使うと、悠遊カードを使っていて正解だったと思う。いちいち切符を購入しなくてよいし、何より毎回二割引きになるのは大きい。士林からはバスに乗車したが、バスも15元のところ悠遊カード利用の乗継割引で7元(約25円)。安っ。
故宮博物院に到着。世界四大美術館の一つだ。ちなみにあとの三つはルーブル美術館(フランス・パリ)、メトロポリタン美術館(アメリカ・ニューヨーク)、エルミタージュ美術館(ロシア・サンクトペテルブルグ)だそうだ。
今年の二月に改装を終えてばかりでとてもきれいな建物。地下一階から入り、チケットを購入。160元(約600円)。カメラの持ち込みが禁止され、荷物を全て預けなければならないというような情報をネットで見ていたが、何の問題もなく持ち込むことができた。館内の何箇所かに撮影禁止の案内があった。特定の展示物だけなのかどうかいまいちはっきりしなかったが、カメラを使っている人はほとんどいなかったので自重。中には撮影禁止とはっきり書いてある展示物を撮影している不届き者もいたが。
展示フロアは三フロアあり、とても広い。一応一通り見たが二時間以上かかった。これでも65万点以上の収蔵品のうち、展示してあるのは一万点に満たないというからその規模のすごさがわかる。日中戦争や国共内戦があったにもかかわらず、歴史的に価値のあるものが保存されていることには本当に驚かされる。館内はなかなか混雑していてイモ洗い状態だった。日本人を含め、外国人も多いようだ。
(つづく)
ほんた。二年連続で同じカードとなった日本シリーズ。今日の初戦は、初回のセギノールの一発をダルビッシュが完投で守りきってファイターズ勝利。全然打てないが先発投手が守りきる、まさにファイターズらしい野球だ。
さて、台湾旅行記の続き。もう三ヶ月近く経ってしまうなあ。
台北101からシャトルバスで市政府駅へ着いた時には土砂降りの雨。この後、士林夜市へ行く予定だった。夕立は移動している間に止むだろうと思い、MRTで剣潭へ。もし雨が止んでいなかったら明日に延期することにする。24元(約85円)だが、改札出て地上へ行って雨だったらもったいないなあ・・・と思っていたら、剣潭の手前で地上に出た。外は相変わらずの大雨。すごすごと引き返す。
善導寺駅から徒歩三分ほどの徳也茶喫で夕食。茶葉料理、お茶の葉っぱを使った料理のお店だ。結構有名なお店のようだったので、もし満席だったら雨の中別のお店を探して歩くの嫌だなあ、と心配していた。運良く席が空いていた。料理と食後のお茶のセットを注文する。店員さんは片言の日本語を話すことができた。
しばらくして出てきた茶葉料理。鍋に茶葉らしきものが入っているのはわかるが、その他はよくわからない。入ってないのかもしれない(笑)。味は、普通にうまい。味の解説はそんなにグルメじゃないのでご勘弁を。ほんこさんは豚の角煮と麺のセット。
さて、食後のお茶。結構な種類のお茶から選ぶことができた。ほんこさんはバラウーロンを注文。私はプーアル茶の中から一番高いものを選ぶ。飲み方も選ぶことができ、功夫式と何とか式とから選ぶことができた。どう違うのか聞くと、「難しいのと簡単なの」とこと。迷わず難しい功夫式を選ぶ。
なにやら色々な道具が準備された後、丁寧に淹れ方を教えてくれた。
1.左の写真左手前の茶荷から茶葉を茶壷(小さい急須)へ入れる。
2.お湯を茶壷へ注ぐ。あふれるほど注ぎ蓋をして20秒だったか待ち、右奥の茶海へ全部注ぐ。
3.茶海から中央手前左の聞香杯と中央手前右の茶杯へ注ぐ。
4.聞香杯と茶杯のお茶を茶壷の上からかけて捨てる。茶海に残ったお茶も同じくかける。一杯目は飲まないのだ。
5.聞香杯に残った香りを楽しむ。
6.お湯を茶壷へ注ぐ。二杯目は30秒ほどだったか待ち、茶海へ全部注ぐ。三杯目は40秒、というように待ち時間が10秒ずつ長くなり、五杯目までいける。
7.茶海から聞香杯へ注ぐ。
8.聞香杯から茶杯へ注ぐ。
9.聞香杯の香りを楽しむ。茶杯のお茶を頂く。
10.7~9を繰り返す。茶海の茶が無くなったら6へ戻る(三杯目)。
お茶の種類によってちょうどいい待ち時間は違うのだろう。お湯は常に熱湯。アルコールランプに火をつけっぱなしにしてくれる。手間暇かけているからというのもあるのだろうが、これはいい。香りを楽しむなんて、なんと優雅なことか。茶海に移してしまうからまったり飲んでも渋くならないし。淹れるのも片付けも面倒ではあるが、それでも家に欲しくなった。
店内は小ぎれい。入り口正面に見えるキッチンが非常に家庭的な雰囲気を醸し出している。落ち着いていて、のんびりできる空間だ。周りの客もみんな長居している。5人の店員も隣のテーブルでお茶を始めた。こんなところは台湾らしい。心地よいひと時。20時頃から23時頃まで、三時間も文字通りお茶をしていた。二人で830元(約3,000円)。
茶葉や茶器の販売も行っていた。迷ったが、まだ二日目なのでお土産は買わずじまい。この後適当なお土産を見つけることができず、激しく後悔することになる。
店を出たときには、雨が上がっていた。ホテルは一つ隣の駅なので、MRTを使わず歩くことにする。前日見たチャレンジャー事故のドキュメンタリーの後半を見て就寝。
(つづく)
「大地の咆哮 元上海総領事が見た中国」(杉本信行、2006年7月7日)を読んだ。著者は2004年の上海総領事館員自殺事件の時の総領事。中国での経験を織り交ぜながら、中国が抱える問題・日中間の問題について意見を述べている。内容盛りだくさんの本で、印象的なことがたくさん書かれていたが、特に日中間の問題についてこの本を参考に考え方の整理をしておきたいと思う。
1.「首相による靖国参拝は軍国主義の肯定だ」
否。靖国神社は無名戦士の墓みたいなものであると日本では定着しているし、A級戦犯の顕彰施設ではない。(国のために戦った軍人を最高指導者が慰霊することには中国共産党の指導者も理解を示している。)
2.「日本は過去の謝罪をしていない」
否。村山富市発言その他。
3.「日本は過去の賠償をしていない」
そもそも、1972年の国交回復時に中国共産党が賠償を放棄しているので賠償の必要はない。道義的には、対中ODA三兆円のうち二兆円は贈与と同等の扱い。
4.「尖閣諸島は中国の領土」
否。日本は日清戦争前から調査を開始、無人島であるだけでなくどこの支配も及んでないことを慎重に確認した上で公告して版図に組み込んだ。日本人が住み、鰹節工場が稼動していたこともある。その後、海底資源の可能性が指摘されるまで、中国が日本の支配(第二次大戦後沖縄返還までの間はアメリカの支配)に異議を唱えたことはない。
まあ、日本人が書いていることだから反論もあるんだろうけど、日本人としてはこの理屈とか背景とかは知っておいた方がいいだろうね。日中問題以外にも現在の中国が抱えてる問題がいくつか指摘されていたりするので、中国に投資したりする上でも参考になった。上海の高層ビルが地盤沈下を想定していないって本当か??エレベーターが使い物にならなくなったって言うようなニュースが出たら中国から手を引くタイミングかもしれない。
それにしてもWikipediaはすごいな。
MRTで中正紀念堂から台北車站へ戻る。もう一つ先の中山駅まで続く地下街をぶらぶら散歩して一旦ホテルに戻り、再度出発。つい最近まで世界一の高さだった台北101へ向かう。再びMRTで市政府駅へ。市政府駅からは無料のシャトルバスが出ている。
バスは台北101の真下に着いた。高さ508メートル、つい最近まで世界で一番高いビルだった。ちょうど台湾行きを決めた直後、ドバイ(UAE)で建設中のブルジュドバイに抜かされたというニュースを目にした。ブルジュドバイの完成時の高さはまだ明らかにされていないそうだ。ドバイではこの建設中のビルとは別に高さ1,000メートルを超えるビルが計画されているそうだ。1,000メートル!本当か?
この建物の5階くらいまではショッピングモールになっている。ウィンドウショッピングをしながらエスカレーターで上がっていく。ちなみにこの建物内に台湾の証券取引所がある。見学できればしたかったが、HPを見ても見学できるようなことは書いてなかったのであっさり諦めた。
五階に展望台までのエレベータ乗り場とチケット売り場がある。一人350元(約1,200円)。結構いいお値段、さすが元世界一。少し並んでいて、エレベータを一本待つ。
エレベータ内では右の写真のように高度と速度が表示される。ここのエレベータは世界最速、最大分速1,010mとのこと。時速60km以上だ。ちょうど最速時の写真を撮ろうとしたが、動き出すとエレベータ内が暗くなってしまってカメラの設定が合わず、うまく撮れずじまい。Gは感じるが気圧の変化はそんなに感じなかった。気圧制御システムが導入されているとのこと。
展望台に上がるとエレベータの模型があった。このエレベータは東芝製。
展望台はまずまずの混み具合。不快になるほどではない。東京や香港と違って高い建物があまりないのがよくわかる。
右の写真はダンパー。風による揺れを防ぐもの。実際に見るのは初めてだ。とても大きくて若干広角気味のレンズなのにファインダーに収まりきらない。重量800トンだって、上まで材料運んで組み立てるのだろうか。
中心部を望む。夕暮れと夜景を見ようと思っていたが、急速に視界が悪くなってきた。夕立のようだ。真っ暗になる前ではあったが、もう降りることにする。
シャトルバス乗り場に着いた時には既に弱い雨が降り始めていた。雷が光っていて、まもなく土砂降りになりそうだ。
案の定、バスを降りるときには土砂降りの雨だった。
(つづく)
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