大劇院から地下鉄で羅湖へ戻る。香港へ戻る前に、偽ブランド品が堂々と販売されていると評判の羅湖商業城へ行ってみることにした。
写真は羅湖駅地上部分。右手にある建物が商業城だ。地下鉄駅からは地下で直結している。一旦地下から入ったものの、近くにあった階段で上へ上がろうとしたら外に出てしまった。
建物の中は買い物客でごった返していた。とりあえず、最上階へ。ウィンドウショッピングをしながら下へ降りていく。衣服、鞄、靴、飲食店、マッサージなどなど、お店がびっしり。どの店も値札が出ていない。買い物好きは交渉するのが楽しいのだろう。客引きは思ったほど酷くなかった。マッサージか足つぼが非常に安いと聞いていたので、どこか良さそうな所があれば行ってみようかと考えていたが、どこのお店も順番待ちしている上に、ぶっちゃけ小汚い!
結局、ここでは一元もお金を使わずじまい。香港への帰途に着く。
(つづく)
ほんた。GWが終わってしまう。欝だ。振り返って書いている香港・シンセン旅行からまだ一ヶ月も経っていないが、どこか海外旅行へ行きたくて仕方が無い。
深センで歩いたエリアは、幹線道路に沿って所々にノッポビルが立っているようなエリアだった。HSBCのような獅子像がある招商銀行など、結構な数の金融機関が目に付いた。
元々、深センに興味を持ったのは、直接足を運べば容易に人民元口座を開設できるからだった。HSBC香港では、香港在住者でなければ直接的には人民元口座の開設はできない。
人民元切り上げ以降、通貨バスケット制を採用した人民元/米ドルの為替レートは日に日に上昇しており、この傾向は当分の間継続することはまず間違いない。「向こう数年のタームでみれば、15%~20%程度の人民元切り上げが生じるとみておく必要がある。」とか、「今後20年間で300~500%上昇する」とかいう話をよく耳にする。
人民元を持っているだけで、近い将来の15%の差益が得られるならオイシイ話だ。しかし、色々考えた結果、人民元口座の開設は見送ることにした。
(1)不可逆性
日本円を人民元に替えることは容易にできても、人民元を日本円に替えるには当初の日本円から人民元に替えた範囲内という制限を受ける。つまり、人民元建てで殖やしてもその増分を日本円に替えることができないということだ。人民元のまま国外へ持ち出すとしても、20,000元(約三十万円)までと制約がある。これでは中国に移住するなどしない限り、殖やす意味が無い。
・・・まあ、日本の郵貯ATMから中国銀行のキャッシュカードを使って直接引き出すという裏技?があるにはあるらしいが。
(2)元建ての運用方法の制限
人民元口座を開設したとして、人民元建ての投信でも買えればいいのだが、どうも定期預金以上の利息がつく金融商品が無いらしい。定期預金で年率2%程度とすると、HSBC香港で投信で運用したのと大して変わらない可能性が高いような気がする。
(3)課税
外貨へ替える際の金額制限がなくなったとしても、多額の税金を賦課することが十分考えられる。また運用に際し、香港のように利息に対して非課税ではないため、相対的に効率性に欠ける。
(4)インターネットバンキングが快適ではないことの懸念
具体的にどこの銀行に口座を開くか決めていたわけではないが、例えば中国銀行のサイトを見るときに非常に重かった。ストレス無くできるのは必要だろう。
※もっとも、今見てみると普通にサクサク見れたが。
と、まあ色々あったのだ。もちろん、法制度は今後変わることが十分考えられるが、必ずしも良い方向に変わるとは限らない。共産国家に対する漠然とした不安も払拭できていない。そもそも、そこまで資力に余裕があるわけではない。そんなわけで、今回は見送ることにしたのだ。
(つづく)
ほんた。
終点で地下鉄を降り、案内表示に従って進むと、世界之窓の入り口に出た。このテーマパークには、数多くの世界中の名所のミニチュアがある。笑ってしまうほどしょぼいミニチュアもあるが、例えば入り口から見えるエッフェル塔は実物の約三分の一など、ミニチュアとは言え立派なものもあるそうだ。
中国国内のテーマパークで、年間の売上額が一位だそうだ。中国では少し前まで、一般庶民は海外旅行へ行くことができず、今でも海外旅行へ行ける所得のある人はそうそう多くないだろう。だからこのような施設が人気を博すのかもしれない。付け加えるなら、深センへ進出している企業へ出張してきたお偉いさんを接待する場所が、ここくらいしかないのかもしれない。
早速入場券売り場へ。なんと、クレジットカードが使えないことが判明。他の場所で購入できるかもしれないと思いインフォメーションセンターへ行ってみるも、なんと閉まっていた。深セン到着直後に調達した現金では足りないので、再度用意する必要がある。入場券売り場の横にATMがあったので、ここで何とかなりそうだ。
しかし、結局入場しなかった。こういうテーマパークは楽しめる人と、全然興味が湧かない人とはっきり分かれやすい。私はイミテーションであれ結構楽しく見て回れると思ったし、中国一のテーマパークがどのようなところが見てみたいと思ったが、ほんこさんは実物でないと楽しくないと気乗りしない様子。このテーマパークがどのような所か、ほんこさんへの説明が不足していた。別のスポットの方が楽しめるなら、その方がよい。またの機会に来よう。
地下鉄に再び乗って、科学館駅まで引き返すことにする。地下鉄の切符を自動券売機で購入。おつりと一緒に例のトークンが出てくる。4元(約60円)。
科学館駅を出ると、ショッピングモールがあった。中信城市広場。西武やジャスコなど、馴染みのある名前がたくさんある。閑散としている様子。チャーリーブラウンカフェへ行った後、何も飲まず食わずだったので、スターバックスで一休み。世界中にある企業は、勝手がわからず心細いようなときには非常に頼もしく見えるものだ。
一時間くらいいただろうか、再び散策へ。深センはここ数年で計画的に発展してきている都市なので、道路や建物が整然としている。写真は東西に走る地下鉄の上の道路だが、歩行者はこの広い道路を信号無視をして渡るのが当たり前であることに驚いた。信号で待っていても、青になるまで待っているのは私たちしかいない。しかも、ただ赤の時に渡るだけではない。写真を撮り忘れたのが残念だが、中央分離帯も無いのに道路の真ん中まで渡って待つのである。ごく一部の人がやっているのではない、それが普通なのだ。
通りがかった公園に、鄧小平の大きな看板があった。鄧小平が経済特区に指定したことにより、それまで農村だった深センが大都市へと発展していくことになったわけで、深センにとって鄧小平は産みの親とも言うべき人物なわけだ。他にも、深センを含む南部の都市を視察した際の発言が、天安門事件後の緊縮政策から拡大路線への転換の契機となっているなど、非常につながりが深い。この時深センでは植樹をして「豊かになるのはよいことだ」というメッセージを繰り返し述べた、ということが昨日紹介した書籍「ミスター・チャイナ」に書いてあった。深センには鄧小平の銅像もあるそうだ。
(つづく)
「ミスター・チャイナ 実録・中国に消えた投資マネー」(ティム・クリソルド、2006年10月16日)という本を読みました。90年代の中国を舞台に、主人公のイギリス人が投資ファンドを立ち上げ、ウォール街の常識が通用しない中で悪戦苦闘する実話を基にした物語です。青島ビールのような実在企業が登場します。
私は中国の個別株はやっていませんが、非常に面白く読むことができました。計画経済と汚職にどっぷりつかった国で、次から次へと非常識な難問が主人公に降りかかってきます。さすがに今の中国ではこの本に出てくるような問題がそのまま生じることは無いと信じたいのですが、新興国投資のリスクの一部を少しはイメージできるのではないでしょうか。「実録」なだけに、「わけのわからんセクターであってもプロに任せれば大丈夫」と安易に投資信託を購入するのは危険だと再認識させられました。
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